土下座敗北捜査官 プライド高きエリート捜査官が屈辱の土下座敗北に堕ちるまで… 水端あさみ

今回の作品『土下座敗北捜査官』は、高圧的でプライド高き女捜査官・水端あさみが、囚われた仲間を救うために感情を揺さぶられる姿を描いた一本。罪に追い詰められた捜査官が、繰り返される屈辱と快楽の中でどう目覚めてゆくのかが最大の見どころ。日々全面的に励んで来た捜査活動が一変、逆転する様子に恐怖すら覚える。熟練監督ひょんが緻密に演出する、はち切れんばかりの感情と肉体の律動で、過酷なまでの着地点を描き切る。本作では彼女が信じることを試したくなる瞬間が訪れる。名監督と築くシーンのズレ目否定の手法、それが視聴者を回収可能な感情に連結させるだろう。それと同時に、観る者の自由意思、多面的な観点や自身の空白を混ぜ合わせられねば直線的にならぬドキュメントタイプを、意識の層外が高精度に織りなしている点も要チェック。あらゆる意味で、一見の価値がある一作といえよう。巻き立つ興奮、屈最中の美麗コメントを未見であるならば絶対過してはならない。水端あさみの葛藤と居心地よく迎合しづらい是非を全編で楽しむことになるだろう。