心は家族でも体は他人の微妙な関係―。過ちが起こらないはずがない義理の母親と二人だけの1週間 葉山さゆり

過ちなんて起こり得ないと言ってばかりの義理の母と義理の息子、そんな淡い期待なんてあっという間に打ち砕かれる。この新作で登場するのは、混じり合うことない血縁関係のはずが、愛欲の共鳴がひしひしと迫ってくる物語。年長の夫とは別に願いと欲望が膨らんでいくのを感じずにいられない義母、そして、その炎に触れるのは義息子の達也。心はつながっていても体はそうではない、この尻に火が付くような一週間の中で、二人は何度も思い悩み、心と体が翻弄される。4Kの美しい描写が二人の動きを余すところなく映し出し、高解像度ならではの迫力が一層その密接な瞬間を引き立たせている。かつてない官能のブラックホールに引きずり込まれるスリリングな作品、葉山さゆりがその魅力を一層引き立て、見逃せない一作となっている。